授業の準備

 今日から試験です。
 でも監督も採点もありません。
 つまりは暢気な身の上です。
 遊んでいればいいのだ。
 
 午前中は試験後の授業の準備です。
 どこをやったらいいのか考えながら、テキストをつくりました。
 印刷して、なんとか恰好がついたかな。
 ちょっと思うところがあって、外出を…。

 そんなに難しいことじゃありません。
 用事をいくつかと、お昼ごはんです。
 爽やかないい季節になりました。
 今日は湿気もなくて、すごく楽です。
 着るものも、随分と薄くなりました。
 そのせいか、身体も軽いね。

 帰ってきてから、3月に出たばかりの吉川潮著『芸人という生きもの』を読みました。
 結局、最後まで。
 彼の談志への傾倒ぶりは半端じゃないね。
 しかし立川流の顧問も辞めちゃったそうです。
 かつての緊張感がこの集団から消えてしまったのも、その一因だとか。

 談春なんか、おまえのその存在感を消せといつも師匠に言われたらしいのです。
 あんな大きな人が、気配を消せといわれてもね。
 でもそれが修行なのだ。
 理不尽だけど、後でものすごく役にたったと感謝したそうな。
 川口松太郎の芝居「遊女夕霧」を吉川さんが台本にし、それを談春が必死で稽古します。
 やっと花柳章太郎の台詞の間と泣き節を覚え、人情噺の枠をさらに大きく広げたという話がすごく印象的でした。

 いい本でした。
 知らなかったエピソードもたくさんありました。
 芸人の厭な面もたくさん見てきた吉川さんが、あえて芸人のいいところだけをピックアップした本です。

 生きている人も亡くなった人も、彼らとつきあったことで、筆者の今があるんでしょう。
 演芸評論家が、いかにお金と縁のない商売かということもよくわかりました。
 芸人とつきあう楽しみがあったればこそ、やってこられたという発言はまさに実感でしょうね。

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