人生の四苦八苦

 今日も暑かった。
 一日中、ぼんやりしてました。
 なんにもしたくないので、本を読みました。
 これが一番いい。
 タイトルは『人生の四苦八苦』

 すごくストレートなタイトルですね。
 著者はぼくのすきな車谷さん。
 つい先日喉にたべものを詰まらせて死んじゃいました。
 彼は鼻で呼吸することが出来なかったので、それも仕方がないのかなとも思いますけど。
 あれだけ早く死にたいと呟いていた人も珍しいです。

 なぜか。
 それは生きることが苦しいからです。
 基本の四苦。
 これは生老病死です。
 老いるというのは、時間が経過していくということです。
 だからだれもおんなじ。
 老人になるという意味じゃありません。

 やはりポイントは死でしょうね。
 人間だけです。
 死ぬということを知っているのは。
 だから苦しみが生まれる。
 他のあらゆる生物はなんにも知らない。
 だから日々を生きていけるのです。

 じゃあ八苦とはなにか。
 これは残りの四苦です。 
 「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」です。
 一番難しいのは五蘊かな。
 色、受、想、行、識のことです。

 ぼちぼちと学んでいったらいいのかも。
 とにかく人間は苦しいのだよ。
 それを目の前で感じた人間だけが、嘘とないまぜにした物語をつくる。
 誠に罪深いことですね。

 なんだか一日中、こんなことばかり考えて過ごしました。
 車谷さんの本は新書館という出版社が実に一冊8千円もするのをだしました。
 死んだあと、4巻目を出すという契約だったそうです。
 だから全部で4冊です。
 3万円を超えますね。
 でもそれだけの価値はある。
 
 そういう人です。
 一度、会いたかったな。

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