すみだ川

 今日は学校へ行きませんでした。
 朝、起きて布団を干したり、お掃除したり。
 大変に偉いのです。
 10時ちょっと前に郵便局へも出向きました。
 税金を払いに行ったのです。

 今までは医療費控除とかで、もらってばかりだったのですが、今年はなぜか…。
 たまにはとられることもあるんですね。
 暮れに差額をもらった時、厭な予感がしたのです。
 こういうのを朝三暮四というのだ。
 まあ、諦めるか。

 そのついでに図書館へ。
 久しぶりに永井荷風と谷崎潤一郎のを借りてきました。
 さっそく『すみだ川』を。
 いいですね、明治の文学は。
 なんともいえない色気がある。

 扱っている世界がちょっと違うね。
 いや、全然違う。
 かつて向島の玉の井を歩いたことがあります。
 あの遊郭の風情はなんともいえなかったな。
 不思議と細い道があちこちで曲がっていてね。

 まさに『濹東綺譚』の趣きそのものでした。
 今日のもよかった。
 完全にあちら側の世界へ行ってしまいました。
 ドナルドキーンが昨日新聞に書いてました。
 谷崎や三島と同じ時間を手にしたということの奇跡を語っていたのです。
 ほんとにそうだな。

 もうああいうタイプの作家は出ないでしょう。
 時代はあれだけの文学的感性を必要としていない。
 つまりそういうことです。
 明日もその世界に沈みますかね。
 いいですよ、ほんとに…。

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