先生と私

 今日も寒い一日でした。
 朝からせっせと洗濯とお掃除。
 奥様は調子が悪いらしく、ずっと寝ておりました。
 そんなわけで、ぼくは読書三昧ということになったのです。

 今日読んだのは佐藤優の『先生と私』です。
 彼の言行は、さまざまな媒体を通じて知ってはいましたが、その少年時代については全く不案内でした。
 少し読み始めたらやめられなくなってしまいました。
 特に中学生になってからの話が面白かったです。
 
 山田義塾という、当時かなり力を持っていた受験のための塾が舞台です。
 そこで教える国語と数学の先生との関係が非常にユニークでした。
 成績のいい彼は埼玉県屈指の名門、浦和高校受験を目指します。
 教科書を丸暗記するだけでなく、高校レベルの数学、さらには非ユークリッド幾何にまで手を伸ばしました。

 その一方で、モーパッサンや島尾敏雄などの小説を授業で取り上げる高度に洗練された知の特訓も受けます。
 早熟な佐藤は、スポンジが水を精一杯吸い取るように、自分のものにしていきます。
 さらにはマルクス主義、母親の信仰していたキリスト教の影響も強く受けます。
 わずか15歳になったばかりの少年とは思えない早熟ぶりに舌を巻きました。

 先生との会話の様子や、塾の外、喫茶店などでの対話の内容も実に細かく書いてあります。
 おそらく日記をつけていたのでしょう。
 それにしてもすごい。
 父親のこと、社会党市議をしていた叔父のこと。
 そうした内容に没頭して、読み進めているうちに、いつの間にか外が暗くなっていました。
 
 もちろん、その間に散歩もしましたよ。
 喉がなんとなく渇いているせいか、噺の稽古ができません。
 こういう時は本を読むしかないのかな。

 佐藤優については、高校、大学での活動についても、近々出版が予定されているようです。
 それも楽しみだな。
 また幻冬舎からでしょうか。
 あそこは商売が実にうまい。
 外務省のラスプーチンと呼ばれた彼の背景に、これだけの物語があるとは全く知りませんでした。
 その記憶力のものすごさにはただ驚くばかりです。
 
 明日から、また仕事。
 こっちはぼちぼちとやるしかないのかなあ。

タイトルとURLをコピーしました