ものすごいタイトルの本をずっと読んでました。
最初は奇をてらったものかと思ったら、さにあらず。
多くの読者を獲得しているのも、むべなるかなと確信した次第です。
著者、ピーター・ナヴァロによれば、米中戦争の確率は70%以上だそうです。
これは全て地政学に基づく計算値だとか。
もちろん、諸説ある中の一つなんですけどね。
中国最南端の海南島には巨大地下潜水艦基地が完成した由。
大陸間弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦がいつでも出撃できます。
さらに「地下長城」と呼ばれる全長5000キロに及ぶ地下道を建設し、そこに弾道核ミサイルを保管しているそうです。
この本は全て質問と回答から成り立っています。
過去200年間に中国を侵略した国を選べという問題には次の選択肢がありました。
フランス、ドイツ、イギリス、日本、ロシア、アメリカ、さらにはこれらの国の全て。
答えは、最後の全ての国です。
中国の軍事力増強は屈辱の歴史から芽生えた外国への恐怖心から成り立っているのです。
では地下の万里の長城に貯蔵している核弾頭の数は…。
1960年代末に工事を始めたこのトンネルには、3000発の核弾頭が備蓄されているとか。
全長5000キロの地下にはトラックや鉄道での移動手段が完備し、移動式ミサイルや発射装置を最高時速100キロで輸送できるというのです。
読んでいるだけで、寒気のしてくる内容です。
この他にサイバー攻撃を専門とし、アメリカの軍事技術を盗む話も…。
そのための専門要員を育て上げるシステムが示されています。
そしてすぐに模倣する技術の高さも…。
南シナ海南部の南沙諸島や、北部に位置する西沙諸島の資源確保の問題。
宇宙での代理戦争。
さらに機雷です。
製造コストが低いわりに、恐怖心を相手に与える絶好の武器です。
これをいざとなったら民間の船を使ってでもばらまいてしまうという話。
このような内容が実に丹念に質問と答えの組み合わせでまとめられています。
大変な時代に入りました。
想像を絶する国と国との戦いが起こっているのです。
しかしこれはあくまで、最大限に見積もった数字からの推論です。
実態は全て厚いヴェールに覆われたままなのです。
核弾頭の数も300発という話もあるくらいです。
それでも十分すごいんだけどね。
今日はこれからお風呂に入ります。
こういう時代は、せいぜい暢気に暮らすしかないのかな。