今日は家でのんびり。
奥様もお出かけなので、まことにぼんやりといたしました。
こういう時は本を読むに限ります。
今までわりと新しいものばかりでしたので、たまには昔のものをと思いまして…。
というのも奥様を某所に送った帰り、ふとラジオから流れてきたのが高見順の『敗戦日記』だったのです。
最初、永井荷風かなと思ったものの、文体が違います。
ああ、高見順だ、としばし…。
ぼくはこの作家のものを系統立てて読んだことがありません。
『いやな感じ』というのは、タイトルだけ聞いてますけどね。
そこでさっそく彼の代表作を、引っ張り出したというわけです。
名作の誉れ高い『如何なる星の下に』です。
ストーリーなんかない。
ぼんやり読んでると、どこがいいのということにもなります。
しかし味わい深いね。
浅草を舞台にした作品では、永井荷風と双璧をなすかな。
彼はなんと荷風の従兄弟なのです。
しかしその関係はねじれにねじれています。
そのあたりは勝手に調べてみてください。
誠に不思議な縁としかいいようがありません。
作品の味わいはもちろん違います。
この人の方が苦みがあるな。
明日も続けて読みます。
詩集『死の淵より』以来かも。
今の風景とは違うだけに、不思議な吸引力を持ってるよね。
明日は久しぶりに授業です。