今日は授業のない日でした。
でもご出勤。
さて何をすればいいのか。
そこで小澤征爾の100年インタビューを見ました。
数年前、偶然小田急線で見かけたことがあります。
ぼくの前に座っていたのです。
腰を痛めた直後だったらしく、自分用の小さな椅子を持参し、静かにちょこんと座ってました。
隣に腰掛けたおじさんが気さくに話しかけ、世間話をしている様子がよかったな。
なんかごく自然な形でした。
気負うこともなく、日常の風景そのものでしたね。
今日のインタビューは彼の先生にあたる斎藤秀雄とカラヤンに関するものと、ウィーンでのオペラ活動全般にわたるものでした。
実に1時間50分。
長いと思わなかったです。
謙虚に自分の言葉で、なんとか伝えようとするその姿が見事でした。
73才の時のものなので、今から数年前なのかな。
人生は短いから、今度は後進を育てなくてはと何度も言ってました。
伸びる人を教えていると、勉強することばかりだと彼は言います。
とても楽しそうでした。
指揮者というものがどういうものなのか、とにかく伝えようと必死でしたね。
楽団員の7割が信頼してくれれば、次第にいい音になるとか。
譜面に書いてないことが、どれくらい見えるかとか。
それはほとんど経験によるそうです。
つまりよく生きなきゃだめだね。
そのためにはどうすればいいのか。
楽団員の心をインバイトすることで、音が生きたものになる…。
これはカラヤンがよく口にした言葉だそうです。
芸術の行き着く先は似てます。
ジャンルは違ってもね。
そこがまた面白い。
ぼくは芸談が好きですけど、そこにはなにか共通したものがあるからでしょうね。
本当の芸術家はいいよ。
目がきれいだ。
もちろん、ニセ者は論外ね…。