今日は一日かけて、USJの本を読みました。
タイトルは『USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか』というものです。
落ち目のテーマパークを立ち直らせるには並々のアイデアではダメですね。
そのことがよくわかりました。
ぼくのよく知らないゲームの話も出てきて面白かった。
全ては確率だというのが著者、森岡毅の説です。
マーケティングは確率の連続、可能性の宇宙だというのです。
しかしそれをやりとげるには、不屈の意志が必要です。
スパイダーマンのリノベーションに始まり、バックドロップのジェットコースター開発。
さらにはバイオ・ハザード・リアル。
低予算の中でできるだけのことを次々としかけていきます。
ユニバーサル・ワンダーランドでファミリー層を掘り起こし、ホラーナイトでゾンビに踊ってもらいました。
とにかく予算がなかった。
その間に、震災もありました。
自粛ムードで一気に客が減少。
つぶれる寸前までいきます。
無料で施設を開放したり、アイデア先行の苦しい試練でした。
そして最後の切り札がハリーポッター。
今やらなかったら、10年後はじり貧になるというのがマーケティングの結論でした。
しかし450億円は年間売り上げ800億円の倍以上です。
だれが考えても無謀だ。
でも今しかないと彼は考えた。
ここでやらなかったら、これだけの資産を手にすることはできない。
嘘でない最高のものをを手にいれるため、徹底的に本物志向でつくったと言います。
だから喜んでもらえた。
親たちが子供に見せたい映画、読ませたい本。
しばらくの間、これでいける。
東京ディズニーランドとの間には3万円の川があると彼は言います。
新幹線代です。
だからこそ、いいものをつくれば、その3万円の川を越えて人が集まる。
これからも攻める経営が続くのでしょう。
モンスター・ハンターを数ヶ月の間に400時間もやり、その醍醐味を知ったからこそ、製作会社カプコンの懐に飛び込めたのです。
それがゲームランドに結実しました。
とにかく面白い本でした。
グレン・ガンペル社長との信頼関係がなければできなかったでしょう。
ヘッドハンティングされ、入社した時はまさに四面楚歌でした。
アイデアの根っこにはいつも確率と統計がある。
数学の厳然とした数値群が横たわっている。
世界はこういうもんかもしれません。
新しい経営論の本を読んだ気分です。
一日中、家にいた訳じゃありません。
お散歩もいたしましたよ。