今日は時間がありましたので、いろんな落語を聞きました。
その中で一番よかったのが、志ん朝師匠の「宗珉の滝」でした。
横谷宗珉なんていう名前は、落語をやり始めてから、はじめて知りました。
江戸時代の彫金の名人だそうです。
それにしても志ん朝という人はいい声だ。噺の間もすばらしい。聞いていて気持ちがいいです。
とにかくうまい。
思わずひきこまれてしまいます。
こういう名人伝というのはいいですね。
落語には「ねずみ」「三井の大黒」「竹の水仙」など、もっぱら左甚五郎の話が多いですけど、「浜野矩随」なんかも好きです。
仕事に対するある種の共通する厳しさを感じます。
名人なんてそんなにいる訳もありません。
それだけにこうした噺を聞いていると、不思議な感慨を持ちますね。
どうやったらああいう高みにのぼれるんでしょうか。
中島敦の小説に『名人伝』というのがありますが、あれも最後は弓を持たずに鳥を落とします。
主人公は弓というものがなんであるのかもわからなくなるのです。
もちろん矢の存在も忘れます。
無舌居士と号した三遊亭圓朝に通じるのかもしれません…。
今日は寒かった。
それでも歩きました。
乳房榎を通しでなんとか喋りたい。
1時間近くかかりますので、なかなか覚えられません。
まずは、おきせくどきまでかな…。