弱法師

Diary

久しぶりに能を見ました。
いいですね、あの能楽堂の佇まいは…。
正面の鏡板に描かれた松の緑を見ているだけで、気分が落ち着いてくる。
それにあの笛の音。

なんともいえないね。
謡の倍音もたまらない。
今日は野村萬斎や、人間国宝・山本東次郎もおりました。
なんにもない舞台だから豊かなのかな。

いろんなものが目に見えてきます。
ここが吉野だといわれれば、すぐに桜が目に浮かぶ。
天王寺だと呟いた途端に、梅の花が散りかかる。
俊徳丸は盲目となり、弱法師と呼ばれ、それでも心清く生きる。

父親との対面の場面はいいね。
昔、紀伊國屋ホールでみた寺山修司の「身毒丸」を思い出したよ。
あの後、すぐに彼は亡くなった。
身上の悲しさが今日も面に出てた。

三島由起夫の『近代能楽集』を急いで読み返さないと…。
あの芝居もいくつか見てるけど、これだというのがなかった。
あの中にもたしか弱法師はありました。
でも忘れちゃったよ。

また近いうちに出かけるか。
古文の韻律がなんとも耳に心地いい。

今日はもっとあったかくなると思ったけど、風が冷たかった。
明日はどうなんでしょ。
葉ざくらの寄席も一興じゃないの。
たくさん楽しめるといいな。

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