とにかく風の冷たい一日でした。
とてもじゃないけど、外に出る気はしません。
買い物に行っただけ。
あとはずっと本を読んでいました。
『京都花街の経営学』という東洋経済新報社から出ているのがそれ。
どうして京都の花街だけが生き残れたのか。
経営的観点から見たとき、祇園という土地の持つ力の源泉は…。
芸舞妓と呼ばれる彼らの暮らしぶりは…。
花街はお茶屋を中心とした不思議な組織で成り立ってます。
花代と呼ばれる費用の計算の方法もはじめて知りました。
東京とはシステムが全く違います。
とにかくお客のためにつくすことが、最終的に彼らの願いだそうな。
無理をきいてくれる。
それがお茶屋への信頼になってます。
分業の徹底化。
食事は全て外からの配達に頼る。
だから生き残れた。
もし同じ場所でしていたら、今のようにフットワークを軽くはできなかったかも…。
事実、大阪の花街はそれで潰れていったのです。
さて、一見さんお断りのシステムの意味とは…。
さらには支払い方法の独自性も。
一切、カード払いなどはないとか。
これも不思議でした。
お客のために守秘義務を徹底的に貫く。
カード会社を通さずに生き抜いてきた訳とは…。
かつてのように身売りされた時代とは違い、今の祇園のしきたりもよくわかりました。
なかなかすごいシステムだ。
一度くらいお茶屋さんに上がってみたいね。
昨今では旅行代理店を通しての遊びも可能だとか。
基本的に払いは全て後日。
とにかく不思議な場所です、あそこは…。
生き延びるための努力が日々行われていることを知りました。
今の舞妓さんは九割以上が、他の土地からくるそうです。
個室もなく、置屋で疑似的な家族をつくる。
すごいよ、それだけで…。
だからこそ、短期間で、本当の舞妓に変身していくのです。