今日は久しぶりに能を見てきました。
いいですね、能楽堂は…。
独特の静けさだ。
演目は井筒と藤戸。
井筒は何度か見てます。
伊勢物語を教える身としては、このストーリーは頭に入っているからね。
何度授業でやったことか。
後半の紀有常の娘の姿が美しい。
あの面はいいです。
衣装も絶品だ。
さてもう一本は初めての作品「藤戸」
これは源平の合戦で活躍した盛綱の話です。
しかし世阿弥のつくったこの話には明るさが微塵もない。
盛綱に殺された漁師。
先陣の功を他人に奪われることを恐れ、陸に続く海上の道を教えた若者の漁師を殺害します。
やり場のない母の悲しみ。
戦が人の命を奪うというごく単純なストーリーです。
しかし母の悲しみがそこに重なると、どうにもならん。
見ていて、つらくなりました。
能は亡霊が現世で遭遇した苦しみを吐露するところから始まります。
それだけに息苦しい作品も多いけど、これは特につらいね。
世阿弥はこんなのも書いてたんだ。
記憶に残る作品になりました。
また近いうちに出かけるとするか。
明日は授業だもんね。
ぼちぼちとやりましょ。