かつて海老坂武といえば、『シングルライフ』を書いて、一世を風靡したもんです。
恰好のいいシングルの代表だった。
フランス文学なんぞを教え、パリに1ヶ月、沖縄に2ヶ月くらい住んで、などという生活をしてました。
その彼が、もう80歳を越したというのだから…。
おひとりさまのあしたはさてどんなもんか。
ちょっとのぞき見をしたくなったのだ。
しかしこれといってどうということはなく、腰が痛くて耳が遠くなったそうです。
大学を68歳で退官して以来、なんにもしてないみたい。
一人だからね。
暢気といえば、いえないこともない。
しかし外には出ないそうです。
特にパーティとか。
クラス会なぞに出て、あんまり友達づきあいもしてなかった連中と話をあわせるのはご免だとか。
人間、80年も生きてれば、それくらいの我が儘はいいんじゃないの。
感動が減り、悲しみが減る。
だいたいのことはこんなもんかという気分だそうな。
わかるような気がします。
いちいち、感動していたら、身はもたん。
未来がそんなにある訳もないから、これといった仕事もせずにふらふらしているらしい。
お金もない。
それでもなんとか生きていますと宣言してます。
旅にあれほど出かけたかったのに、最近はもうよろしいそうな。
しなくてもいいことは、なるべくしないでね。
年齢を重ねると、好奇心が衰えるということだけは、実によくわかりました。
これからの参考にいたしましょ。
それにしてもアメリカも、なんだかなあ…。