ぼんやりしてると、つい眠くなってしまうので、お稽古をすることにしました。
奥様も今日は随分協力的だったなあ。
いつもならうるさいから、閉め切ってやってよと叫ぶのに、そんなこともありませんでした。
あんまりぼんやりしてるので、不安を覚えたのかも…。
この調子で呆けていったら、たまらないとでも思ったのかな。
落語の稽古をしていれば、呆けの程度もだいたいわかります。
なにしろ、なんにもわかんなくなっちゃうんだからね。
ちょっと前には喋れたのに、みんな忘れちゃうのです。
そういう意味では、いいバロメーターになってるのかな。
幸い、忘れるようなこともなく、順調に一つの噺を終えることができました。
でもまだ腹に入っているとは言いがたいね。
もう少しやりましょう。
そうしましょ。
何度も聞いていると、赤ちゃんとおんなじで、ある日突然喋れるようになるのです。
これが不思議だ。
もぐもぐと口に出しているうちに、なんとなくだけど、自分のものになるのだよ。
ありがたいね。
ただし、噺家のコピーになったんじゃ面白くない。
そこいらが、一番難しいところかな。
午後、お買い物に付き合わされました。
野菜は重い。
油や牛乳のなんと重いこと。
生きていくということは大変ですよ。
毎日の暮らしを続けるだけで、くたびれちゃう。
よくここまで生きてきたもんだ。
今日は息子がやってきました。
秩父巡礼に行ってきたとか。
随分と歩いたらしいです。
とにかく元気でいられりゃいいのだ。
親なんて、そんなもんですよ。
明日はどうなるのかな。
もっともっと、お稽古しなくちゃね。