王とサーカス

Diary

今日はずっと米澤穂信のこのミステリー小説を読んでました。
昨日、半分まで進み、本当なら読破したいところでしたけど、今日に余力を残しておきました。
本屋大賞にもノミネートされてるんですね。
奥様が面白いから読んでみたらというので、つい手を伸ばしたというわけです。
ぼくはあんまりこういう類いのものに興味はありません。

しかしこの本は舞台がネパールのカトマンズということもあって、ついふらふらと読み始めちゃったのだ。
いつもいるところとは違う場所というだけで、気分は随分かわるもんです。
それも王の一族が突然撃たれて消滅していくという事件とからむことで、リアリティを増しました。
埃っぽい町です。
ぼくは行ったことはないですけどね。
なんとなく想像はできます。

アジアの国というのはここ10年ほどですごく近代的になってしまいました。
でも、まだこういう場所もあるんだろうな。
以前なら出かけてみようかという気分にもなりましたけど、今はね…。
どっちかといえば、デッキチェアに座ってお茶を飲んでいたい気分です。
もちろん、甘いチャイもいいですけど…。

内容はあえて書かないでおきましょう。
主人公の女性雑誌記者が大事件に巻き込まれていくプロセスにはリアリティがあります。
取材をするということが、どういう意味を持つのか。
あるいはマスコミの役割とは何かといったテーマがかなりやりとりされます。
真面目な印象が残りますね。
書いてもいいのか。書けるのか。

報道写真家なら、写真を撮ることと、その対象になる人を救うことと、どちらが大切かということです。
この議論は業界に在籍していると、常についてまわります。
そのぎりぎりの決断から、突然のどんでん返しに…。
カトマンズからの通信事情はよろしくありません。
しかし、ファックスもあり、ネットで写真を送れるのも現代の構図そのものです。

不思議な時代を生きてるな。
これ実感です。
今、書いているこの文章もネットに載せれば、すぐに誰でもが読めるのです。
世界の果てからでも、事件はサーカスにも似て、ぼくたちを興奮させるのだ。

今日は桜も見てきました。
写真も撮りました。
明日は朝から雨だとか。
もうこれで、桜もおしまいだ。
花の命は短く、苦しきことはあまりにも多いのです。

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