春子

Diary

 はじめて読みました。
 三島の短編を読み始めると、やめられなくなります。
 川端康成に激賞された『煙草』は彼の初期の作品です。
 おそらく学習院時代の思い出でしょう。
 ホモ・セクシュアルと若さの匂いがこもっています。

 『春子』は女性同士の恋愛を描いた作品としては出色だな。
 当初の100枚を80枚に縮めたとか。
 主人公は19歳の男子学生です。
 この物語は主人公の叔母、春子と叔母の義理の妹の18歳の路子との愛情問題を取り上げた作品です。
 主人公と春子、主人公と路子との複雑な愛の形がみごとです。
 それと裏側にある厳しい身分制度の現実。
 官能的な表現も美しい。

 つい先日、伊藤整の『変容』を読んでがっかりした後だけに、救われる気がしました。
 かつてあれほど、伊藤整が好きだったのに、自分でも意外でした。
 『変容』は老年の愛情の形を扱っています。
 しかし面白くなかった。
 柴田翔の『されどわれらが日々』も数行読んだだけで、もうダメです。
 かつて青年だったぼくも今や、全く違う境地を漂っているのかも…。

 そんな中で、三島の世界には惹かれます。
 あとは谷崎かな。
 ぼくも大分倒錯してきた感じ。

 授業はそれでもちゃんとやってます。
 こっちはまあ、のんびりですよ。
 慌てても仕方がない。
 来週は短縮授業と球技大会です。
 そんなわけで、かなりリラックスできそうだ。

 少し稽古もしなくちゃいけません。
 まだ全部通してやってないからね。
 浮かれる気分を出すのが難しい。
 表情をつくる。
 これを意識してやりたいです。
 枝雀みたいに、無理してつくる。
 そのうち、それが自分になるんだ、きっと。

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