いつものように電車に乗ったと思ってください。
通勤するんだからあたりまえだ。
ところがです。
ドアが開いて、乗り込んだ途端、ぼくの顔をじっと見つめているご婦人と目があいました。
どうも昨日も同じ女性にみつめられた記憶があります。
あのF高校にいらした先生じゃありませんか。
はあ。
こちらは訳もわからず、曖昧な返事をいたします。
わたし、先生に習ったことは多分ないと思うんですけど、よくお話をしていただいて…。
すごく大きな声で楽しそうに笑っている姿をよく覚えてます。
はあ。
なるほど、いつも大声で笑っていたかもしれません。
そう言われてみると、なんとなくそんな記憶も…。
なにしろ25年以上前の話らしいのです。
すごいなあ。
いろんな先生の話が飛び出てきて、懐かしいこと。
今はケアマネージャーをしておられるそうです。
途中から高校に行ってる息子さんの進学相談になり、いろいろとお話をいたしました。
落語のことまで、つい口走ってしまったので、もしかしたらこのサイトを覗くこともあるのかなあ。
とにかく随分長くやってるんですよ、ぼくはこの商売を。
まったく驚きます。
そう言われてみれば、その数分前に、昔ぼくのクラスにいた生徒にも会いました。
こっちはもっと前の生徒で、多分50才を過ぎてるね。
ああ、と叫んで思わず名前を呼びました。
よく覚えてたよ。
すごい。
不思議な仕事をしてますよ。ほんと。
今はまた16才の少年少女を教えてるんだからね。
ほんと、へんなの。