曼珠沙華の季節

Diary

 朝、電車の中からたくさん咲いているのが見えました。
 いよいよ、そんな季節になったんだな。
 もうすぐ、お彼岸です。
 こちら側ではなくて、あちら側。
 遠いようで、案外近く、近いようで、案外遠い。
 複雑な場所です。

 曼珠沙華の別名は、文字通り彼岸花です。
 いつ見ても不思議な形をしてます。
 葉っぱがないようにみえる。
 もちろん、あるんでしょうけどね。
 なんとなく不穏な色です。
 赤でもなく、朱でもない。

 まさに彼岸の色だ。
 一度、お墓参りに行ってこなくちゃダメだな。
 いつにしましょうかね。
 仏の教えにはいろんなのがあります。
 盛者必滅、会者定離…。

 厳然たる事実ですからね。
 なにもいうことがない。
 たくさん家はあるけれど、「昔ありし家はまれなり」と鴨長明も言ってます。
 生まれては消え、消えては生まれ…。
 今日も落語を聞きながら電車に乗ってました。
 うまい人はうまい。

 何がうまいのか。
 結局、人間を描く力でしょ。
 台詞なんか誰だって覚えられるんだ。
 そこに本当の人間が生きているように描けるかどうかでしょ。
 これは一朝一夕にはできない。
 それが芸の真骨頂なのだよ。
 ああ、どうしましょ…。
 気が遠くなる。

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